みそかつ、エビフライ、ひつまぶし……。全国でも他に類を見ないほど、多様で楽しい食文化が根付く名古屋。食への探求心は尽きることなく、毎年のように新しい名物グルメが生まれ続けています。
漢方薬局に併設された家族経営の小さなカフェ「カフェファルマシー」で、体にやさしい滋味豊かな料理を味わうことができます。ボリュームのあるメニューで疲れた胃腸をいたわってくれるのが、数種類の生薬と野菜を使った薬膳スープ。これを飲んで、午後からの食べ歩きに備えます。
漢方といっても嫌なクセやにおいはまったくなく、ちゃんとおいしいスープでした。ゆっくり時間をかけて飲み干すと、体の芯からポカポカ温まってきます。毎日厨房に立つおかあさんによれば、お客さんの体調に配慮し、季節によって生薬の量を調整しているそう。体内からじんわりと癒してくれる愛情スープは、そのやさしさと朗らかなキャラクターがそのまま表れたような一杯でした。
元気で明るいおかあさんを見ていると、食を大切にする人って素敵だなあと、改めて感じます。やはり食は、心と体をつくる人間の基本。自身の食生活を顧みる、いいきっかけにもなりました。
医食同源という言葉を体現するような料理で、もたれた胃もスッキリ。
<提供元:ことりっぷ>
ことりっぷとは、2008年の創刊以来、「軽くてコンパクト」「こだわりの装丁」「情報が信頼できる」と、働く女性を中心に圧倒的支持を得ている旅行ガイドブック。©昭文社